水中運動・水泳の効果

■水中運動
・1.0~1.3mまで身体を水につけた状態での足にかかる重力は10分の1程度。
・水の密度は1g/cm3。骨の比重は2.01g/cm3、筋の比重は1.06g/cm3、脂肪の比重は0.94g/cm3。
・うつぶせで泳ぐと、9%肺活量が減少する。

■水面からの深さが10cm増すごとに約0.01気圧ずつ増していく。水面の気圧は1気圧であるから、水深1mでの気圧は0.01×10+1=1.1(気圧)となる。

■腕かきによる推進力
・クロールで60%~70%、背泳で60%前後、バタフライで約50%、平泳ぎで30~40%

■水泳中のエネルギー消費
・水の抵抗は速度の2乗に比例して多くなるが、ヒトの泳ぐ速度は遅いので、ほぼ速度に比例して消費エネルギーは多くなると考えていい。水中ウォーキング時などの水中運動の場合も同様である。
・水温が低いと、体温が急激に奪われるので、泳ぐためだけでなく、体温を保つためにも多くのエネルギーを消費する。

■水温が低いほど、運動負荷の増大に伴う心拍数増加の程度は小さくなる。

■水泳・水中運動の効果と強度
・呼吸筋を強化するためには、胸部が水中に没する必要がある。
・持続泳や水中ウォーキングだからといって、一定の強度がないと心肺機能向上が期待できない。
・体温よりも低い水温の水中に入ることにより、血管の収縮や拡張機能が高まり、体温調節機能が向上する。
・水泳は0歳から可能である。
・水中では、水圧の影響によって心拍数が低くなるが、顔面を水につけても心拍数が低下する「潜水徐脈」。そのため、水中運動では顔面に水がかからないので、水泳ほどには心拍数が低下しないことを意味する。
・水泳・水中運動の目標心拍数は、陸上での10~15拍低い数値となる。

■健康づくりとして水泳を実施する場合
・はじめのうちは5~10分、週3回で良い。
・慣れてきたら30分/日。

■同じ速度で泳いだ場合、クロールが最も消費エネルギーが少ない。

■アクアビクス
・スタジオで行うエアロビックダンスを水中で行うようにアレンジしたものである。
・浮力によって体重の負荷を軽減することができるので、エアロビックダンスよりも、アクアビクスのほうが強度をより低くすることもできる。
・筋コンディショニングのパートは含まれないことが多い。この場合、レジスタンストレーニングは、メインパートに位置づけられる。ウォームアップ→エアロビクス→クールダウンのパートで構成されることが多い。

■水泳の際に着用するスイミングキャップの素材は、ゴム、メッシュ、シリコンのいずれでもよい。

■水泳に伴う障害
・水泳肩は、クロールやバタフライで発生しやすい。
・膝を痛めやすいのは平泳ぎである。ウィップキックとよばれる膝の動作によって内側側副靭帯に負担が加わる。健康づくり運動として平泳ぎをする場合は、膝をほぼまっすぐに曲げ伸ばしするウェッジキックのほうが安全性に優れている。
・水温が低かったり、やせている人ほど筋ケイレンを起こしやすい。
・プールや海に飛び込んで、底で頭を打ったり、脊髄を痛めて、手や脚の麻痺をきたしたりする場合がある。
・耳にプールの水が入ることによって中耳炎などの感染症をおこすことがある。

■筋力トレーニングないしはウエイトトレーニングと呼ばれていたものが、近年ではレジスタンストレーニングとよばれるようになったのは、健康上は筋力だけではなく、筋持久力やパワーも重要だからである。また単なる名称の違いではなく、目的や内容の違いを示しており

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