ウォーキング

■歩行運動の動作局面
・左右いずれか一方のかかとが接地してから、逆側の「かかと」が接地するまでの動作を1歩とよび、その距離を歩幅という。
・左右いずれか一方のかかとが接地してから、再度同じ側のかかとが接地するまでを1歩行周期という。
・1歩行周期に占める立脚期の割合は約60%、遊脚期が約40%、両脚支持期が約10%となる。
・立脚期であれば股関節も膝関節も伸展位になるが、遊脚期では股関節も膝関節も屈曲位になる。

■ウォーキングと筋活動
・ウォーキング中の筋活動の一般的な基本パターンは、歩行速度によって変わらない。
・筋活動水準は歩行速度に伴って変化する。
・歩幅を広げやや速く歩くと、骨盤の水平回旋運動の増加に伴って股関節の回旋運動が加わり、下肢だけでなく、腰部や殿部の筋の活動も増えていく。
・歩き慣れていない人に、かかとから着地することを強調すると、背屈動作が強調されるために、前頸骨筋の負担が増大する。前頸骨筋のストレッチを行うほうがよい。
・普段意識せずに歩くことを自然歩行とよぶ。
・歩行中の時間あたりのエネルギー消費量は、速度が早くても遅くても大きくなる。
・毎分60~80mで一定距離を歩くのに必要な消費エネルギーは最も小さくなる。
・自然に歩行から走行に切り替わる程度の速度の範囲内であれば、歩行でも走行でも消費エネルギーは等しくなる。
・自然に走行になる速度で、あえて歩行すると、走行に比べて1m進むのに必要な消費エネルギーは大きくなる。
・歩幅は、やや速く歩いて身長の45%程度である。
・60歳代以降は、身体諸機能の減退が歩行運動能力に影響する。

■ウォーキングとエネルギー供給
・歩行中に活発に働く下腿の筋の血流量は毎分100mの歩行で最高値を示し、それより速い歩行速度では逆に減少していく。
・全身的な循環系応答を示す心拍数や酸素摂取量は、歩行速度の増加に伴い増える。

■ウォーキングと心拍数
・推定最高心拍数は定数「220」から年齢を引いた数値である。
・初心者は推定最高心拍数(220-年齢)の50%程度を目標心拍数とする。
・心拍数(脈拍)を計るとき、手首での触診が難しい場合は、頸動脈で測定してもよい。

■運動指導の現場で換気性作業閾値や乳酸性作業閾値を測定することは困難である。

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